悠二にとって、それは日常になりつつあった。
「強くなり、シャナと…炎髪灼眼のフレイムヘイズと共に戦いたい」。
だからこそ、行なっていた日々の鍛錬。
だが、家で、学校で、シャナといる時間が長くなると、悠二はそれが以前と同じ日常の延長かのように感じ始めていた。
一方、シャナの思いはより強くなっていた。
「重要なのは悠二が強くなること。一緒に戦うこと」。
今、ふたつの思いは、互いの影すら見失おうとしていた。
燐子が現れたのは、そんな時だった。
出会い頭に人を襲い、存在の力を喰らう燐子に対峙するシャナ。
しかし、彼女の側に悠二の姿はなかった。
シャナはそれが始めてだった。]]>
「お風呂みたいに気持ちいいのかな?」。
太陽が容赦なく照りつける日、クラスメイトの池が持ってきた「御崎ウォーターランド」の招待券。
オープンしたばかりの話題の巨大屋内プールに、誰も喜んだ。だから、その場で日曜日に一緒に行こうと盛り上がった。
それは悠二も同じだった。
だが、そこには戦いが待っていた。
シャナがココで悠二と一緒にいる限り、受けなければならないもう一つの戦い。
悠二の母が、せっかくだからと用意してくれた水着を付けたシャナと、やはり学校では見ることの出来ない水着姿の吉田一美が、各々の思いをぶつける。
マージョリーは戦闘狂と化していた。]]>
群青の炎を散らすトーガをまとい、“紅世の徒”の討滅を実行するために。だが、その目前に立ち塞がった少女は言う、自分たちの使命は“この世と紅世のバランスを守る”ことだと。
マージョリーはトーガを分裂させシャナを囲むが、それは先の戦いと同じ結果は生まなかった。
悠二という力を得て、シャナは変わっていた。
二人の戦いの結末は……
「シャナと一緒に戦う」そう悠二は言った。]]>
共に戦うために鍛えてもらおうと自ら申し出た、それが認められただけではない。
シャナにとって、悠二はただのトーチではなくなったのだ。
だが、その切っ掛けを与えてくれたラミーは、マージョリーの手に落ちようとしていた。
シャナとは相入れないフレイムヘイズ。
その原動力は“紅世の徒”への過剰なまでの復讐心だった。